屋久島ハイク4日目。
日本百名山のひとつであり、九州最高峰である宮之浦岳へアタックする。

朝4時15分起床。前日寝る前から降りだした雨は止んでいたけれど、強めの風の音が聞こえる。
ザックを持って外へ出ると、星空が見えた。天気は大丈夫そうだ。車に乗り込み、まずは昨日のうちに予約をお願いした弁当屋に弁当を取りに行く。
弁当を受け取ると、出発点である淀川登山口へ車を走らせる。

山道を進むにつれ、だんだんと天気が怪しくなってきた。標高が上がってきたから雲の中に入ったのか、ガスもひどい。
慎重に進み、5時半に淀川登山口の駐車場に到着した。
他に停まっている車は無く、バイクが1台だけ置いてあった。

雨が断続的に降っている。風も出てきた。とりあえず目の前にあるトイレに行き、先ほど受け取った弁当を車の中で食べる。
そのうち雨風が少し弱まってきたので、意を決してレインウエアの上下を着込み、ヘッデンを着けた。

6時15分、出発。


これは帰りに撮った登山口の写真。出発時は暗いし雨だったため余裕が無かった。この左側から登っていく。

ここもトレイルは整備されていてとても歩きやすい。最初は樹林帯を歩くため、雨も風もほとんど感じない。時折風が抜けていく音が聞こえるくらい。

40分ほど歩くと淀川小屋に到着。この頃には明るくなっていたため、休憩ついでにヘッデンをしまう。すると小屋から1人の男性が出てきた。
小屋泊まりをしており、これから宮之浦岳へ登るそうだ。前日の夜は雷雨が酷かったとのこと。しばらく話をし、先に出発する。


大きな岩があったりして飽きない。
けれど、天気はずっとぐずついたまま。


小花之江河と呼ばれる小さな湿原地帯に到着。木道が敷かれていた。
ここを過ぎて少し登ると、次は花之江河(小さい方じゃない)に着く。


ガスのせいで寒々しい絵面。実際寒かったので、吹きさらしのここはさっさと通り過ぎた。



立ち枯れた木とか、とても美しいのだけれど、容赦なく吹きつける雨で余裕が無い。先へ進もう。


黒味岳分岐を過ぎ、投石峠へ。天気は依然回復しない。
少しの休憩を挟みながら進む。グローブはすでにびしょ濡れで、たまに外して水を絞る。多少濡れていても無いより着けていた方がまだマシだった。防水グローブにすればよかったと後悔…。


ヤクザサやシャクナゲの間を通る木道を進む。アップダウンは少なくなり、晴れていれば景色も含めて最高だろうな…。


くりお岳に到着。レンズが雨に濡れている。
右側に行くと祠がある。少し寄って、お参りしてきた。無事にこのハイクが終わりますように…!


すごく大きな岩が多い。形も変わっている。


トレイル上に雪が残っている場所が出てきた。グズグズ状態でたまに踏み抜く。膝まで埋まるところもあったけど、慎重にいけば大したことはない。

そして出発から4時間ほど…。


山頂到着!ヤバい、寒い!真っ白!何も見えない!


三角点タッチ!


ここまで小屋であった方と抜きつ抜かれつしてきた。山頂到着もほぼ同じ時間。写真をお互い撮り合った。このまま縦走するとのことでここでお別れ。自分はピストンで帰る。
山頂滞在時間、10分程度。寒すぎなのであっさり下山開始!


花の時期ではないけれど、トレイル横のシャクナゲを撮ってみる。
すると目の前に突然一頭のヤクジカが現れた。
先導するかのように木道を進んでいく。しばらく(といっても30秒程度)一緒に進んだけれど、さっと横道に消えて行った。残念ながら写真は撮れなかった。


途中、トレイルが川のようになっているところも。
投石岩屋で食事を摂ろうとしたけれど、寒い上に風があり、お湯が全然沸かない。沸騰させるのは諦めて、そのままアルファ米に投入。食べずにザックに入れる。行動食だけお腹に入れて再出発。


花之江河まで下りてくると、天気が回復してきた。
ああ、こんな景色だったんだ。



豆腐を切ったようにスッパリと分かれているトウフ岩が見える。


展望台があったので行ってみる。


雨と水溜りで濡れてしまった登山靴は、表面の色が変わるほど。途中までは撥水してたんだけど。
それでも中には浸水していない。さすがゴアテックス。


淀川小屋近くまで戻ってきた。水の透明度がすごい。太陽の光を反射してキラキラしている。


そのまま淀川小屋で大休止。ぬるいお湯を入れておいたアルファ米はすぐに食べられる状態になっている。お湯を沸かし、スープとともに食べた。
ここでガスカートリッジの役目は終了。まだまだ残量はあったけれど、メモを付けて小屋に寄付させていただいた。誰か使ってくれたかな。


無事下山!
結局このハイクで出会ったのはひとりだけだった。
時間は15時少し前。今日はレンタカーを返さなくてはならないため、片付けも早々に車に乗り、民宿へ向かった。


民宿で荷物を降ろすと、まずはガソリンスタンドへ。満タン給油をしたら、満タン証明書とともに指定された駐車場に行き、車を停めた。


店は無人。車の鍵はサンシェードに挟んで置いてくれとのこと。かなりアバウト。

車が無くなったので、徒歩で民宿に戻る。
民宿では親父さんがすぐ熱いお風呂を入れてくれたので、ゆっくりと身体を休めた。


お腹いっぱい。ごちそうさまでした。

屋久島ハイク3日目。
今日の予定は白谷雲水峡で苔にまみれること。

朝5時に起床。2日間泊まったホテルとは今日でお別れ。
準備されている弁当を手にし、荷物を抱えてレンタカーに乗り込む。

暗闇の中レンタカーを走らせる。全く知らない土地を早朝に車で走っていると、不思議な気分になる。気分が高揚しているのがわかった。
分岐を曲がり、山道を進んで行く。といっても整備された道路で心配ない。そして6時半に無事駐車場に到着。

天気が良くない。少し雨もパラついている。しばらく待てばマシになるだろうか?そんなことを考えながら、持ってきた弁当で朝ごはん。


さすがにこの時間はほとんど人がいない。自分の後から車で来た人も、天気を見ながら出発のタイミングを計っているようだった。
7時前になると雨も止み、空が明るくなってきた。準備オーライ。行こう!

入口の管理棟はまだ開いていない。本来なら協力金を払わなくてはいけないけれど、後回しにして先へと進む。


案内図。コースはいくつかあるけど、やっぱりロングコースで。


水が透き通っている。岩の上を跳びながら進んで行く。


すぐに美しい森へと入っていく。観光客のための道はトレイルと呼ぶには整備されすぎているけど、森を守り共存していくには勝手気ままに歩き回ることは許されないからだろう。


其処彼処が苔に覆われている。一カ月に35日雨が降ると言われるこの屋久島の、豊富な水で成長しているのだろう。


倒れている杉を避けて成長しているヒメシャラの木。今にも動き出しそうな気さえする。


緑、緑…。


サイズ感が狂ってくる。周りの杉の大きさが普通じゃない。でもそれが普通に思えてくるほど。


木の表面を覆う苔が、もうふわっふわ!

そして、もののけの森へ到着。といっても色んな事情でその名称は今は使ってないらしい。


朝が早かったからか、自分以外の人は居ない。静かにゆっくりと楽しむ。


ここからは太鼓岩へ向かう。少し急登になるけれど大したことはない。ただ、登る道と降りる道が分かれていて、一方通行になっていた。
ふと見ると、登る用の道を降りてくる人がいる。サンダル履きの外国人の方。ズルズル滑っていて、見るからに危なっかしい。やっぱりちゃんとした装備は必要ですよ。


太鼓岩到着!うん、ガスガス!
かろうじて景色が見える。ここも映画もののけ姫のあるシーンで有名なところ。
足の先は絶壁で、これ以上前には無理!


真っ白…。悔しいなぁ。
観念して戻ろう。


太鼓岩から少し下ると、辻の岩屋が。これも映画のモチーフ。岩の下に空間があって休憩もできるけれど、記念撮影だけして戻る。


ヤクシカ発見。お尻が白くて可愛い。
何かを必死で食べている。


白谷小屋でお湯を沸かして休憩。ココアで温まる。
トイレを済ませ、片付けて再出発。


滝とか。雨が降ったのもあるけれど、水量が豊富!


入口まで戻り、朝支払えなかった協力金300円を渡す。この時点でまだ11時。
まずは山から下りよう。


途中で鹿の親子がいたり、ヤクザルがいたり。
街まで下り、ガイドブックに載っていた抹茶ソフトを食べに行く。
八万寿茶園。美味しい!


ちょっと食べちゃってるけど。

その後はおみやげを買いにいったり、千尋の滝を見に行ったり。


さらに車を走らせ、尾之間温泉へ。


この温泉、ちょっと変わっていて、湯船のフチで身体を洗うスタイル。普通の身体洗う場所がない。そして湯温が高くて熱い!

サッパリしたところで、今日泊まる民宿へと移動。


やっぱりトビウオの唐揚げは必ず出るのね…。
次の日は宮之浦岳アタックの予定。民宿の親父さんに、提携しているお弁当屋さんに早朝の予約を取ってもらう。

でも夜から天気が少し荒れ模様に…。宮之浦岳、行けるだろうか??

大杉歩道に入ると、だんだんガスってきた。トレイルは整備されていて、とても歩き易い。


しばらく歩くと、大きな株が。これはすでに倒れてしまった翁杉。堂々とした佇まい。


少し歩くとウィルソン株に到着。これも株部分しかない。本体は豊臣秀吉に献上されたとか。歴史は繋がっているんだなぁ…。


ここは株の中に入ることができ、ある決まった場所から上を見ると、ハート型に断面が見える。
でも写真におさめるにはちょっと無理な体勢が必要。


ウィルソン株から30分くらいで大王杉に到着。これもものすごい大きさ。周りの杉も有名無名関係なく大きいため、だんだんと感覚が麻痺してくる。


すぐに夫婦杉。手を繋いでいるように、2本の杉が繋がっている。
ガスがだんだん濃くなってきた…。


龍っぽく見える杉や、


マグロのように見える杉も!ちゃんと目みたいなものまである!
そしてついに…


縄文杉に到着。
濃いガスの中に、圧倒的な存在感。


樹齢は2000年とも7000年とも言われており、保護と安全のために、今はその前に作られたデッキからしか見ることはできない。
ほぼ一番乗りで到着したため、静かな中で対面することができた。

しばらくそこでゆっくりしていたけれど、そろそろ下山開始。来た道を戻る。


途中の水場で休む。水が透き通っている。


途中の橋から見た景色。一つの岩が、軽自動車くらいの大きさはある。スケールが大きい!


トロッコ道にトロッコが停まっていた。
屋久島電工の方がお仕事中。お疲れ様です。


登山口に到着!バスが来るまで暫く待つ。その間に中途半端な記念撮影。


バスが来たのでまた屋久島自然館までゆらゆら…。
着いたのは14時。そこから山を下るためのバスが来るまで1時間半ほど待たなくてはいけないことが発覚!
自然館に併設された喫茶店で休憩することにした。


ホットジンジャーをいただく。ほぼ飲み終わりで撮影(笑)
時間になりバスが来たため移動、ホテルの最寄りの停留所で降りた。
レンタカーの予約をしていたため業者に連絡を取ると、車をホテルまで持ってきてくれた。


48時間レンタル。これが3日目と4日目の移動の相棒、よろしくお願いします!
この後は近くのスーパーでちょっとした買い物を。


雲は多いけど太陽の光が美しい。
ホテルに帰り、夕飯と翌日の準備。


食事はやはり魚中心のメニューでした。
疲れてるからガッツリ肉食べたい…。

こうして2日目の縄文杉トレッキングは終了。ガスはあったけれど逆に神秘的な時間を過ごすことができた。
翌日は白谷雲水峡の予定。また早起きです。

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