カテゴリ: 道具

登山を始めるときの三種の神器としてよく言われるのが、ザック・登山靴・雨具の三種類。
その中でも雨具は上下セパレートの透湿性をもったレインウェアが必須と言われています。
実際、稜線上の上下左右から雨に降られる場合や、風が強く吹いている場合にはそれが最適であることに疑念はありません。

しかし、低山の樹林帯や風がないときは、傘が有用となります。
レインウェアは「雨が降りそうだな」と感じたとき、もしくは降り始めてから着る必要があるため、結局降らなくて暑い思いだけをしたり、着ている間に雨で濡れてしまうこともあります。
それに対し、傘であればサッと取り出して拡げるだけで一定の雨は防げることになります。
また、テント場に着いた後、トイレや山小屋に行くときにいちいちレインウェアを着るのは面倒ですが、傘があればとても楽です。
その他にも、雨が降っていないときでも日傘代わりに使用することで、直射日光による体力消耗を減らすことができます。

そんなわけで使い方によってはとても役に立つ傘ですが、登山する人によっては使用に対して否定的な意見を聞くこともあります(例えば、片手がふさがるから危ないとか)。
と言っても結局使いどころと使い方の問題だけなので、最初から否定するのではなく、適材適所で使ってみるのがいいんじゃないかなと思っています。

前置きが長くなりましたが、上記のことにより、自分は登山で使用する傘に対しては肯定的な考え方をもっており、実際微妙な天気のときは傘をザックに挿して登っています。

UL界隈では古くはゴーライトのクロームドーム、ゴーライトが倒産してからはユーロシルムやSix Moon Designsのシルバーシャドウなどの銀色の傘が定番です。


銀色以外の傘ももちろんありますが、遮光性についてはやはり銀色のタイプの性能が高く、日光の下で比較すればその涼しさにびっくりするほどです。

自分はユーロシルムのスウィングライトフレックスアンブレラという、メーカー公表値が重量207g、長さ64cm、広げた大きさ100cmの傘を使用しています。


肩掛けできるケース付き。

この傘は堅牢性をウリにしており、その性能を誇示するかのような面白動画をアップしています。


この動画、確かに凄そうな傘に見えるのですが、ハッキリ言ってそこまで凄いものではありません。
というのは、自分の傘はすでに骨が1本折れてしまっているからです。
折れた経緯としては、畳んだ状態から拡げようとしたとき、骨同士が引っかかったようでそのままポキッと。
こんな簡単に折れてしまうのか…と嘆いたものです。
安い傘ではないので自分で修理してそのまま使っていますが、シルバーのコーティングもハゲやすくちょっと微妙な製品だなと感じていました。

今回この記事を書くにあたり、重量の実測値を確認してみると、あれ、、、重い、、、。


ちなみにケースも測ってみましたが、60gありました。
さらに広げた時の直径を測ってみると、94cm。ん?小さい??
ますます微妙な気分になってしまいました。

そんなわけでもう少しいい傘がないかなと調べていたときに見つけたのが、モンベルの傘でした。

昔からラインナップされていましたが、2016年に大幅なアップデートを果たしたようで、種類も豊富になっていました。
現在のラインナップは下記のようになっています。
(モンベルのページより)


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モンベルの傘は全て折り畳みタイプで、全長が短いことが特徴です。
ザックの横に挿すにも、中に収納するにも小さいほうが引っかかり等もないのでこれはとてもいいこと。
いかにもUL的なスタイルから脱却できるのもナイスです。

そして登山に持っていく傘としては、やはり重量を見逃すことはできません。お守り的な意味合いで持ち歩くため、軽いに越したことはないのです。
モンベルの傘の中で最軽量は80g台のものがありますが、径が小さい(88cm)のと骨の本数が少ない(6本)ことから、山で使用するには頼りない感じです。
そのため、日傘代わりに使用することも考えてやはり銀色のサンブロックアンブレラを購入することにしました。


ユーロシルムのスイングライトフレックスが重量207gに対しこちらはメーカー公表値が178g。十分軽量です。
しかも、壊れてもモンベルで修理可能!さすがです。
さらにお値段ですが、前者は7776円に対し、後者は4860円です。お安い!

で、重量を実測。


収納袋を外すとこんな感じ。


まぁ、誤差の範囲かな。
広げた内側は真っ黒。
直径は実測値96cmで、ユーロシルムより大きい。


両方の長さを比較するとこんな感じです。モンベル、ちっさい!


ザックの横に挿すとこんな感じ。




そもそもハイクに行けていないのでまだ実際には使用していませんが、とてもいい感じです。

この銀傘、2016年に発売された当初はすぐに売り切れてしまいましたが、現在であれば在庫もあるので抵抗ない方はお守り代わりにおひとついかがでしょうか?

普段日帰りのハイクで使用しているのは山と道のMINI。
容量25リットルのこのザックはホントに軽くて疲れないし、夏のテント泊にも使えるのでかなりのお気に入りです。


でも買ってから1年半も経つと、ほかのザックに目移りしてしまうのは仕方ないですよね?
そんなときにネットを徘徊していて見つけたのが、「ks ultralight gear」。
去年の夏頃に見かけてから、ちょくちょく情報を集めていました。

どうやらこのメーカー、愛知県の小牧市でフランス人の方が1人でやっているらしく、かなり近場に住んでいる自分は一気に(一方的に)親近感を覚えました。

Webサイトは、ベースとなるザックを選び、そこにオプションを追加していくことで、オリジナル仕様を作り上げることができるようになっています。
しかも選択肢にないオプションでも、オーナーのローランさんに相談すればかなり自由にカスタムできるとのこと。

そんなわけで自分好みのザックを妄想する毎日。大きさ、色、ポケットの素材などなど…。
そして去年の秋頃、山と道のTHREEが発売になったとき、メッシュポケットのカッコよさに心を奪われました。ks ultralight gear でオーダーするならメッシュポケットのレイウェイザックしかないと!

そしてさらにそのタイミングで、Webマガジンである「geared 」さんでks ultralight gear にカスタムオーダーする記事が掲載されました。
そこに載っていたザックが、自分が思い描いていた理想のザックとかなり近い仕様だったのです。

ポケットこそX-PAC素材でしたが、その他細かいところはまさに想像していた仕様。ちょっと悔しい気もしましたが、逆に完成像を確認できたとポジティブに考えます。

そして今年になり、ついにオーダーすることにしました。
オーダーは土曜日の夜、ローランさんから返事が届いたのは次の日の朝。少しのやり取りを行ない、決済したのはその日の夜でした。決済はローランさんのメールからペイパルでお支払い。

【オーダー仕様】
①Ks 30 X-pac vx07 white (torso 53 cm) 15100 JPY
 →30リットルサイズ、生地はVX07で背面長は53cm。

②Shoulder strap dyneema+ pocket dyneema 1000 JPY
 →ショルダーストラップとサイドポケットはダイニーマ素材。

③Cargo front pocket strong mesh + dyneema tape custom open 2000 JPY
 →フロントポケットはストロングメッシュで大容量タイプ。上部をダイニーマで補強。

③Front 6 loops + bottom 6 loops 500 JPY
 →ショックコードを付けるため、フロントに6ヶ所、下部に6ヶ所のギアループ。

④Removable 25 mm belt 0 JPY
 →ウェストベルトは取り外しできる25mm幅テープのもの。

⑤Bottom part of back cordura 500D 0 JPY
 →ボトム素材はコーデュラ500D。

⑥Back in 3D mesh 1600 JPY
 →背面に3Dメッシュを追加。

⑦13 mm sternum strap included = 0 JPY
 →スターナムストラップは標準の13mm幅テープ。

Total 20200 JPY + TAX 8 % + 1000 JPY for ship

消費税、配送料を含めて合計22816¥でした。

発送の連絡が来たのは決済から6日後。噂通り早い!!
そして届きました。自分好みの見た目のザック!



早速重量を測ってみると、390gほど。とりあえず使用しないウェストストラップを外せば、
380g程度です。結構軽い!

X-PAC素材はコシがあるので、ガバっと開いて荷物をぽんぽん入れられるのでとても楽。
ただ、フレームはないのでその代わりに山と道のミニマリストパッドを4つ折りにして背面に
入れています(背面長と比較してちょっと長いので、そのうちバックパッド15+を購入して入れ替えるつもり)。

そのほか、家にあったショックコードとコードロックをギアループに取り付けてスリーピングパッドを外付けできるようにし、
スターナムストラップを市販のオレンジ色のホイッスル付きのものに交換しました。
これで自分仕様のKS 30が完成!



で、何度かハイクで使用してみた感想を。

まず、背面長を合わせて製作されているため、自分の背中にしっくりと乗ります。


ただ、山と道のMINI(背中の上部、肩甲骨あたりで背負う感じ)と違い、背中全体で
背負うことになるので、その背負い心地はまったく異なるように感じます。
自分はMINIに慣れてしまっていたせいか、かなり下のほうで背負っているような感覚さえありました。
MINIと比較するとこんな感じのサイズ感。



背面には3Dメッシュを追加したため、思ったほど蒸れはありません。
重量的にも重くなるし、値段も高くなるので一番どうしようか悩んだところではありましたが、
結果的にはあって良かったと思っています。

フロントポケットはさすがの大容量。いろんなものを入れてもまだまだ入る。
かといって汚く見えるのも嫌なので、整理しつつ使用しています。
とりあえずデイハイクでのレギュラーは、Ridge Mountain Gearのトラベルポーチプラスと
行動食を入れたナルゲン、Trek'sのテーブル、Buff、グローブといったところ。
まだまだ余裕。


クロージャーは巾着タイプですが、X-PACが結構固いので、絞るのも面倒。
そんな時はくるくる巻いてストラップでパチン。
外せばすぐに中にアクセスできるし、最近はこの閉め方が気に入っています。
まぁ、荷物が少ない時限定ですが。


30リットルの容量ですが、実際にはもっと入りそうなので、オーバーナイトのハイクにも余裕で使用できそうです。
そんなわけで一泊の荷物を入れてみました。



マットはザックの前側に取り付け。
結構パンパンに入ってます。
中身はこんなの。


トレッキングポールを抜いて5kgだったので、水と食料を足したらP.W.は7kgかな。
マットが無駄に2つになってるけど。


Webサイトが少しわかりづらいため、どのようにオーダーすればよいのか迷いましたが、
ローランさんにメールで連絡をすれば丁寧に対応していただけます。

もし気になった人がいれば、一度連絡をとってみてはいかがでしょうか?
選択できるオプションや選べる生地もだんだん増えているので、自分だけのオリジナルのザックをオーダーすることができますよ!

Off the Grid/オフ・ザ・グリッド
アウトドア・スタイルの新しいデザインを提案する2日間

90年代後半から2000年代に生まれ育った若いアウトドア・メーカー、ディストリビューター、リテーラーたち。
そんなインデペンデントな彼らが一堂に会す、大規模なユーザーイベントです。




4月18日、19日に調布市で開かれるアウトドアイベント、Off the Gridの1日目に参加して来ました。


会場である京王フローラルガーデンは京王多摩川駅の目の前。朝10時からの開場に合わせ9時56分に駅に到着し、出口を出ると目に入る行列!

今年初めてのイベントでこんなにたくさんの人を呼べるのはスゴイ。




会場は一番上のロウンガーデンという芝生の広場。


入場料500円を支払い、中に入る。



会場を目指して奥へ進んでいく。


天気も良く、絶好のイベント日和!


フローラルガーデンというだけあって、花も咲いてとても雰囲気がいい。



まずは山と道のブースへ。

大盛況!


まずは今回の目的のひとつである、Stretch Mesh Capを購入!
飛ぶように売れてました。午後には完売だったよう。18日分はとってあるのかな?


そして試作品の数々を確認。
とくに新しいバックパック、「THREE」はかなり良い!


夏目さんに接客していただいたので、色々と質問させていただいた。

発売は夏頃、カスタムオーダーは当初は無し。
背面長、色、外ポケットの種類(ネットかX-PACか等)で分けて発売する。
容量はちゃんと計ってないけど最大45リットルくらい、耐荷重は10kg程度。

5kg程のパッキングをしたTHREEを背負ったけど、気持ち良く背負うことが出来た。全体の使い心地、見た目、シルエット…さすが開発に長い間かけているだけあります。

ちなみにウエストベルトはパッド無しで太いテープのものだったけど、しっかり締めることで腰荷重をさせることが出来る。


その後はもうすぐオーダーが再開するU.L.FramePack Oneの採寸と試着をさせてもらった。
選択できる生地が増えるとのことで、ますます迷いそう!


ローカスギアのブースでは、CP3を触らせてもらい、その軽さとカッコ良さを確認。ヤバイ、欲しい!


HapiとKhufu。どちらも広い!この形がそそる!
KhufuはAフレームで、かなり居住性が高そう。


WANDERLUST EQUIPMENTではカンパラパック他の展示・販売。
ここのサコッシュがずっと気になってて、実物を見たかった。

聞くと、このイベントでカスタムオーダーが出来るとのこと!
しかも、この場で作っていただけると聞き一気にテンションが上がる!

というわけで、生地とジッパーを選んでオーダーすることに。


出来上がりまでは少し時間がかかるので、場内を回って待つ。

屋外での実演、すごい。


別のブースへ。

ムーンライトギアではORのヘリウムビヴィーなどがあり。


OMMではカムレイカJKTなどが30%OFFなど。


アルトラも盛況!


試着や、中古および新品の販売など。売れてました。


パーゴワークスではニンジャタープの展示と実演。
色んな形に簡単に変形させることができるみたい。


その他にもたくさんのブースでものを見させてもらったり、話しを聞いたり。
REDGE MOUNTAIN GEARではツイッターでフォローさせていただている96さんとお話させていただいたり。

商品などのモノやSNSだけの繋がりではなく、実際に話を聞く場っていうのは本当に楽しい!



そして、会場の端にはテント村。


SIX MOON DESIGNS。


ローカスギアのKhufu メタライズドキューベンファイバー。メタルな色で反射が眩しい。
製品は330gくらいになるみたい。軽さに驚く。


この日は風が強くて大変だった。

花が綺麗。



そうこうしているうちに、オーダーしていたサコッシュも出来上がり、次の予定のために会場を後に。



Off the Grid、内容が濃い、とても楽しいイベントでした。
会場は少しこじんまりとしていたせいかキャパオーバーを感じましたが、作り手や発信者側と受け側が直接会話できるこのイベントはとても貴重なため、今後も継続して開催していただけると嬉しいですね。
(出来れば東京以外でも…)


そして今日の戦利品!


楽しかった〜!

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