ガスストーブを山で使うことにも慣れてくると、道具好きとしては他の火器も気になるもの。
となると次はやっぱり軽量化も視野に入れてアルコールストーブでしょ、ということで色々物色しました。
まずは有名どころでトランギアのもの。
(画像はサイトからお借りした)
火力調整も出来るし、消化蓋も付いてる。重量は110g。
火は上側の小さな穴からしか出ないため、ゴトクが別途必要。
でもこれは優等生すぎで面白味に欠ける。あと、ちょい重い。
次は、エバニューのチタンアルコールストーブ(これも画像はサイトからお借りした)。
チタンだけあって軽い!34g。
火が出るところが上下2段に別れているので、火力は弱くなるけれどゴトク無しでも使えるし、必要なら専用のものがラインナップされている。
日本製で仕上げが良いのもいい。
ほぼこれに決めかけていたけど、ちょうど在庫が無い時期だったみたいで暫く待つハメに。
そんな中、雑誌を見ていて目に入ったのが、T's stoveのアルコールストーブでした。
ストーブ、風防、燃料ボトルが綺麗にスタッキングされていてコンパクトに纏まっていた。
アルコールストーブは風の影響をモロに受けるため、使用するには風防が必要不可欠。それがセットになって、しかも収納性も良し。
とりあえずネットで調べてみると、どうやら日本のガレージメーカーのようで通販も可能とのこと。
しかも、結構安い。
これはいいな、ということで早速注文し、届いたのがコレ。
仕上げがとても美しい。空き缶を使って手作りしているとは思えない完成度。
本体、19.5g。
ステンレス製の風防とそれを留めるためのピン2本、26g。
60ccくらい(ボトルのくびれ部分までアルコールを入れた状態)で、54.5g。
合計、ちょうど100g。
サイトの説明では、20ccのアルコールで400mlの水を沸騰させることができるとのこと(水温や気温に左右されるだろうけど)。
てことは、60ccあれば1.2lも沸かせるのか。すごいな。
ちなみにアルコールは近所のドラッグストアで買ってきた。
燃料ボトルへ移すために、100均の化粧品用の注射器も購入。これが無いと際限なく辺りにアルコールをぶちまけそう。
早速試用。
アルコールをストーブに10ccほど入れ、少し傾ける。これでWelded Wire(=ストーブ上に飛び出ている網みたいな部分。ストーブ内部にそのまま繋がっている)にアルコールが接触し、表面張力でストーブ壁側に保持される。
この状態で外側からライターの火を近づければ、保持されたアルコールに引火し、燃焼が始まる。
(手につかないよう注意)
最初はアルコールの気化が少ないため、火の勢いも弱くほとんど見えない状態。
だけどこの燃焼でストーブ内外の温度が上がってくると気化が促進され、本燃焼が始まり、火の勢いが強くなる。
この写真、風防が上下逆だな。
音はとても静かで、微かにシューっと聞こえるくらい。青い火がシェラカップを包み、しばらくして沸騰。
思っていたよりとても簡単。
そして先日やっとハイクで使ってみた。
日中、明るい中で使うと火が全然見えない。とくに最初の燃焼時は火が点いたかどうかわからないくらい。
上側にちょっと手をかざして暖かかったので火が点いたと判断し、そのままクッカーを乗せる。その後はとくに問題なく本燃焼まで移行した。
この日は風も弱く、穏やかな晴天。
もちろんガスストーブに比べたら時間もかかるし、風に弱いなど気を使わなくてはいけない部分も多々あるけれど、時間をゆっくり使って山を楽しむためにはアルコールストーブというのはいい選択だな、と思う。
コンパクトで軽くて静か。今後も状況に応じて積極的に使っていこうと感じた道具です。